【インタビューシリーズ】第4回 アーティスト ゆるかわふう氏

  1. 【インタビューシリーズ】第4回 アーティスト ゆるかわふう氏

【インタビューシリーズ】第4回 アーティスト ゆるかわふう氏


−こんな素材でアート!?


本日は光彫り作家ゆるか うさんにお話をお伺いします。

ゆるかわさんは湯河原を拠点に発泡断熱材を使った「光彫り(ひかりぼり)」と名付けた独自の絵画技法で、光る作品を制作されてます。

 

長門 ほほぉー。すごい迫力。光彫りってはじめて聞きました。光る作品とはどういったものですか?


ゆるかわさん 後ろから光を当てると浮かび上がる作品です。発砲スチロールのように見える素材は、実は住宅用断熱材。断熱材の厚みは約3cmで、描いているというよりは彫っているという感じでしょうか


長門 この作品は青く浮かびあがってますが、青いライトをあててるんですよね。

 

かわさん ライトの光は真っ白です。素材が少し青みがかっているのでライトを入れると青くみえるのです。彫れば彫るほど白くなるのですよ。白く見えるところは本当に薄くなるまで彫っています。薄いから光を良く通すんですね。

「たまゆらの 春のしじまの 夜散歩」2018年

−彫って溶かして


長門 断熱材を彫るってどのようにしているですか

 

ゆるかわさん 電動ドリルの先のブラシでゴシゴシ削ったり、はんだごてで溶かしたりシンナーで溶かしたりいろいろな溶かし方をして質感を出していきます。明るくみえるところは障子一枚くらいの厚さしかないかもしれません。ちなみにこの作品は飼い猫をモデルに製作しました



「光のもとで」2018年


長門 おおー。繊細でありながらすごい迫力ですね。あまりの迫力にタイガーに見えました作品を拝見しているだけではどのように彫っておられるか見当がつかないですね。

 

ゆるかわさん このような作品を製作しているのは私だけですので、自分で道具を作り試行錯誤しながらの製作です。


「約束の地へ」2017年


長門 わー。こちらの作品躍動感が伝わってきますね。とても広大な大地駆け巡っているイメージがありますが、海外まで見に行かれたのですか?

 

ゆるかわさん 日本の動物園で見て描いています(笑)アフリカ等の現地に行きたいです行けない場合はあたかもそこにいるような空気感を描くようにしています。作品を近くで見ていただくと感じていただけると思いますが、小象とのしわの寄り方の違いや水しぶきも繊細に表現しています。空気感を楽しんでいただけると思います。

 

長門 ひとつの作品を仕上げるのにどれぐらいかかるのですか?

 

ゆるかわさん 描きだしたら早いですよ。1週間くらいで仕上げます。部屋を暗くして作品の後ろから照明をつけて製作していきます。製作期間中はほとんど寝ないでやっています()作品全体と細部を繰り返しみて作品を仕上げていきます。油絵等と違って一度削ってしまったらなんともならないので大変気を使いながら進めています


−お父様もアーティスト

「full moon」2016年


長門 ゆるかわさんのお父様は日本画家だと伺いましたが。

 

ゆるかわさん 小さいころから父親の絵をずっと眺めてきました。ただ父親からだけで生きていくのは難しいから日本画家には絶対なるな言われていましたので進路を考える時期になったとき美術に興味はある普通の絵は描きたくないという思いがありましたそうして建築に進むということだったら父親も認めてくれました


長門 そのまま建築家にならず、アーティストの道を進まれたのはお父様の影響もあったのですね。


ゆるかわさん ありますね。ただ明確にアーティストになりたいと思ったわけではなく、子供の頃から見てきた世界を何か自分なりの方法で表現したいと気持ちはずっとありました。

 

長門 ほぉー。その夢を形にされたのですね。

 

ゆるかわさん いやいや、絵をうまく描けるひとは星の数ほどいますからねー。普通の絵を描いていては到底かなわないですか自分なりの表現方法をいつも探していました。


−湯河原との結びつき


長門 ゆるかわさんが湯河原で活動するきっかけは何だったのです

 

ゆるかわさん 大学院で学んでいた研究室の先生が湯河原にお住まいで、湯河原から大学まで新幹線で通っておられました。先生湯河原の旅館だった3階建ての廃屋をひとつずつリフォームして素敵な家にされました。その家をるために湯河原行き、こんなところなんだと感じたのが最初です。当時まだ東京にいたので合宿等で先生の家に泊まりに行きましたこんな生き方もあるんだと先生の湯河原生活に憧れを持っていました。楽しく、面白い場所(湯河原)でこのような生き方もいいなと感じさせてくれたのが先生でした。

 

長門 湯河原との出会いは先生のおかげだったんですね


ゆるかわさん 先生の助手をさせていただいた時もありました。その際先生から「交通費が出るらしいぞ」とお話があり、往復4時間かけて大学に通いながら海の近くに住んでみようと思い、湯河原の隣町「真鶴(まなづる)」に引っ越してきました。そのときはノリと勢いの行動でしたが(笑



◆後半へ続く

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